前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 平成14年版 犯罪白書 第1編/第2章/第2節/4 

4 外国人犯罪者に対する矯正及び更生保護

(1) 成人矯正

 平成13年の外国人新受刑者は1,862人であり,前年と比べ,159人(9.3%)増加している。
 「日本人と異なる処遇を必要とする外国人」をF級受刑者といい,そのうち,新受刑者については「F級新受刑者」(以下,本項において同じ。)という。1-2-2-10図は,最近10年間における,F級新受刑者数の推移を見たものである。F級新受刑者数は平成10年以降,急増しており,13年のF級新受刑者数は,4年(184人)を100とする指数では676(1,243人)となっている。

1-2-2-10図 F級新受刑者数の推移

 平成13年のF級新受刑者の罪名別人員は,窃盗が481人(38.7%)で最も多く,次いで,覚せい剤取締法違反184人(14.8%),入管法違反174人(14.0%),強盗125人(10.1%),麻薬取締法違反34人(2.7%),殺人28人(2.3%)等の順となっている(矯正統計年報による。)。
 平成13年12月31日現在のF級受刑者数は,2,315人(男子2,176人,女子139人)である(法務省矯正局の資料による。)。

(2) 更生保護

 平成13年の外国人保護観察対象者(韓国・朝鮮及び中国の国籍を有する永住者等を除く。)の新規受理人員は730人であり,前年と比べ,29.2%増加している。これを保護観察の種類別に見ると,仮出獄者(419人)が最も多く,以下,保護観察処分少年(237人),少年院仮退院者(51人),保護観察付き執行猶予者(23人)の順となっている(保護統計年報による。)。
 1-2-2-11図は,最近10年間における,保護観察係属中の外国人人員(永住者及び特別永住者を除く)の推移を見たものである。総数の動きを見ると,平成4年以降,毎年大幅な伸びを示しており,13年は,前年と比べ147人(14.3%)増加して1,178人となっている。これを,4年(121人)を100とする指数で見ると,974となる。

1-2-2-11図 保護観察係属中の外国人人員の推移

 1-2-2-12表は,平成11年から13年の各12月31日現在における,外国人保護観察対象者を,出身地域別及び保護観察の種類別に見たものである。13年について出身地域別に見ると,アジア地域の出身者が最も多く,67.7%を占め,次いで,南アメリカ地域出身者26.5%となっており,この両者で総数の9割を超えている。

1-2-2-12表 保護観察係属中の外国人の出身地域別人員