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 平成13年版 犯罪白書 第4編/第5章/第6節/3 

3 日本人の国外における被害

 在外公館が邦人保護事務を通して把握した日本人の国外における犯罪被害状況を見ると,平成12年は,件数が7,340件(前年比9.9%増),人員が8,347人(同10.0%増)となっている(外務省大臣官房領事移住部の資料による。)。その内訳を見ると,被害の大半は窃盗で,総件数の76.1%(5,583件)を占め,強盗14.4%(1,060件),詐欺6.6%(487件)がこれに続いている。
 これを被害地域別に見ると,ヨーロッパ地域41.4%(3,039件),アジア地域の29.2%(2,146件),北アメリカ地域の15.5%(1,141件)の順であるが,渡航先地域別出国者数10万人当たりの被害件数で見ると,ヨーロッパ地域が128.0件,アジア地域が25.3件,北アメリカ地域が20.7件の順となっており,渡航先地域別の出国者数の順位(アジア地域,北アメリカ地域,ヨーロッパ地域の順)とは異なっている(IV-78図参照)。
 この3地域について被害内容の上位3位を見ると,ヨーロッパ地域では,窃盗83.0%(2,523件),強盗14.5%(441件),詐欺1.8%(54件),アジア地域では,窃盗65.0%(1,394件),詐欺16.6%(357件),強盗12.2%(261件),北アメリカ地域では,窃盗89.0%(1,016件),強盗6.1%(70件),詐欺2.4%(27件)である。被害の上位3位は,これらの地域で共通であるが,地域によって窃盗,強盗,詐欺の被害を受けた者の比率及び順位に相違が見られる。
 また,犯罪被害による死亡者数は,平成3年以降(6年までは会計年度,7年以降は暦年),10人台から20人台で推移しており,12年は19人となっている。一方,傷害・暴行,強盗等の犯罪被害による負傷者数は,12年には545人と,3年の109人の5.0倍に増加しており,海外渡航者数の伸びを大きく上回っている。