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 平成13年版 犯罪白書 第4編/第5章/第3節/3 

3 外国人犯罪者に対する矯正及び更生保護

(1) 成人矯正

 平成12年の外国人新受刑者は1,703人であり,前年と比べ,186人(12.3%)増加している。
 「日本人と異なる処遇を必要とする外国人」をF級受刑者(第2編第4章第3節1(1)参照。新受刑者については「F級新受刑者」という。以下,本編において同じ。)というが,IV-70図は,最近10年間における,F級新受刑者数の推移を見たものである。F級新受刑者数は平成10年以降,急増しており,12年のF級新受刑者数は,3年(138人)を100とする指数では784となっている。

IV-70図 F級新受刑者数の推移

 平成12年のF級新受刑者の罪名別人員は,窃盗が370人(34.2%)で最も多く,次いで,入管法違反143人(13.2%),覚せい剤取締法違反132人(12.2%),強盗129人(11.9%),住居侵入35人(3.2%),傷害32人(3.0%),殺人29人(2.7%)の順となっている(矯正統計年報による。)。
 平成12年12月31日現在のF級受刑者数は,1,968人(男子1,848人,女子120人)である(法務省矯正局の資料による。)。

(2) 更生保護

 平成12年の外国人保護観察対象者(韓国・朝鮮及び中国の国籍を有する永住者等を除く。)の新規受理人員は565人であり,前年と比べ,4.6%増加している。これを保護観察の種類別に見ると,仮出獄者(329人)が最も多く,以下,保護観察処分少年(166人),少年院仮退院者(48人),保護観察付き執行猶予者(22人)の順となっている(保護統計年報による。)。
 IV-71図は,最近10年間における,永住者及び特別永住者を除く外国人保護観察対象者の保護観察の種類別動向を見たものである。総数の動きを見ると,平成3年以降,毎年大幅な伸びを示しており,12年は,前年と比べ197人(23.6%)増加して1,031人となっている。これを,3年(115人)を100とする指数で見ると,897となる。

IV-71図 保護観察係属中の外国人人員の推移

 IV-41表は,平成10年から12年の各12月31日現在における,永住者及び特別永住者を除く外国人保護観察対象者を,出身地域別及び保護観察の種類別に見たものである。12年について出身地域別に見ると,アジア地域の出身者が最も多く,64.1%を占め,次いで,南アメリカ地域出身者29.5%となっており,この両者で総数の9割を超えている。

IV-41表 保護観察係属中の外国人の出身地域別人員