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 平成13年版 犯罪白書 第4編/第2章/第4節/3 

3 窃盗

 IV-28図は,1988年以降における各国の窃盗の認知件数及び検挙率の推移を見たものであり,1988年の認知件数を100とする指数の推移も併せて示してある(巻末資料IV-15及びIV-16参照)。

IV-28図 5か国における窃盗の認知件数・検挙率の推移

 窃盗については,暗数が少なくないものの,他の4か国では,いずれも1992年から1994年の間に,認知件数が減少傾向に転じているのに対し,我が国では,全期間を通じて,認知件数の増加が続いている。その結果,認知件数と発生率では,依然として他の4か国を相当下回っているものの,増加率では,1999年における上記の指数が134.3と,他の4か国を上回っている。
 一方,我が国の窃盗の検挙率は,1980年には55.7%と,アメリカやフランスの3倍以上,イギリスやドイツのほぼ2倍の数値を示していたが,その後急落し,1999年には29.4%と,初めてドイツ(31.5%)を下回り,さらに2000年には19.1%と,1999年におけるアメリカ(17.5%)やイギリス(15.8%)に近い水準となっている。