II-15図は，昭和56年以降における仮出獄申請受理人員を見たものである(巻末資料II-11参照)。仮出獄申請受理人員は，平成4年以降，1万3,000人台で推移していたが，8年以降増加し，11年には1万4,179人と1万4,000人を突破し，さらに12年には前年比3.1％増加して，1万4,625人となっている。

II-15図　仮出獄申請受理人員の推移

　拘留受刑者及び労役場留置者の仮出場並びに婦人補導院からの仮退院については，近年，共に該当者がない状態が続いていたが，平成12年は，仮出場を許可された者が1人見られた。

　II-16図は，昭和56年以降における仮出獄人員及び仮出獄率を示したものである。平成12年の仮出獄人員は，前年と同数の1万3,256人となっている。また，仮出獄率は，元年以降，56％を超えて推移していたが，12年は，前年を1.4ポイント下回り，55.9％となっている。

II-16図　仮出獄人員及び仮出獄率の推移

　II-21表は，最近3年間における，不定期刑を除く仮出獄申請に対する棄却率を，刑の種類等の別に示したものである。

II-21表　刑の種類・刑期別仮出獄許否状況

　II-17図は，平成12年に仮出獄を許された者(不定期刑及び無期刑の者は除く。)について，刑の執行率(執行すべき刑期のうち，仮出獄により出所するまでに執行された刑期の比率)を累犯者・非累犯者別及び刑期別に示したものである。累犯者・非累犯者別に見ると，非累犯者は，累犯者と比べ刑の執行率が低くなっている。

II-17図　仮出獄者の累犯者・非累犯者別及び刑期別に見た刑の執行率

　また，II-22表は，最近10年間に仮出獄を許された無期刑受刑者について，行刑施設における在所期間別人員を見たものである。

II-22表　無期刑仮出獄者の行刑施設在所期間別人員

　保護観察所においては，矯正施設に収容されている者の社会復帰を円滑にするため，その者が収容された直後から継続的に家族その他の引受人との調整を行い，本人の社会復帰のため最も適した環境を準備する環境調整を実施している。
　平成12年においては，受刑者3万8,151人及び少年院在院者6,731人の計4万4,882人について環境調整を新たに実施し，同年12月31日現在，受刑者・少年院在院者を合わせて4万9,589人について環境調整を実施中である(保護統計年報による。)。