平成12年における刑法犯に関する主要なデータは，次のとおりである。
平成12年の主要なデータ(刑法犯)　(前年比)
[1]　認知件数　3,256,109件　(352,058件増)
　うち交通関係業過を除く件数　2,443,470件　(277,844件増)
[2]　検挙件数　1,389,410件　(80,299件減)
　うち交通関係業過を除く件数　576,771件　(154,513件減)
[3]　検挙人員　1,160,142人　(80,035人増)
　うち交通関係業過を除く人員　309,649人　(5,706人減)
[4]　発生率　2,565　(273増)
　うち交通関係業過を除く発生率　1,925　(216増)
[5]　検挙率　42.7％　(7.9ポイント低下)
　うち交通関係業過を除く検挙率　23.6％　(10.2ポイント低下)
(警察庁の統計による。)
　I-1図は，我が国の昭和21年以降における，刑法犯及び交通関係業過を除く刑法犯の認知件数・検挙人員・発生率(認知件数の人口10万人当たりの比率をいう。)の推移を図示したものである(巻末資料I-1参照)。また，平成12年における刑法犯の認知件数・発生率・検挙件数・検挙人員・検挙率を罪名別に見ると，I-1表のとおりである(巻末資料I-2参照)。

I-1図　刑法犯の認知件数・検挙人員・発生率の推移

I-1表　刑法犯の主要罪名別認知件数・検挙件数・検挙人員・検挙率

　刑法犯の認知件数は，昭和50年以降ほぼ一貫して増加し，平成12年は，戦後最高の325万6,109件(前年比12.1％増)と，初めて300万件を上回った。12年における刑法犯認知件数を罪名別に見ると，I-2[1]図のとおりである。

I-2図　刑法犯認知件数・検挙人員の罪名別構成比

　刑法犯の発生率は，昭和53年以降上昇傾向にあり，平成12年は，戦後最高の2,565を記録した。また，交通関係業過を除く刑法犯の発生率は，昭和49年以降ほぼ一貫して上昇し，平成12年は，1,925となった。
　刑法犯の検挙人員は，平成4年以降おおむね増加傾向にあり，12年は，前年と比べ8万35人(7.4％)増加して，戦後最高を更新した。12年における刑法犯検挙人員を罪名別に見ると，I-2[2]図のとおりである。12年の交通関係業過を除く刑法犯の検挙人員を男女別に見ると，男子が24万6,271人，女子が6万3,378人である。また，同年における14歳以上の男女別人口10万人当たりの各検挙人員を見ると，男子が464.3人，女子が112.0人となっている。
　刑法犯の検挙率は，近年低下傾向にあり，平成12年は，刑法犯全体では42.7％，交通関係業過を除く刑法犯では23.6％と，それぞれ初めて50％，30％を下回って，戦後で最も低くなった(巻末資料I-3参照)。