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 平成12年版 犯罪白書 第3編/第1章/第1節/2 

2 年齢層別動向

 III-3図は,昭和41年以降の交通関係業過を除く少年刑法犯の年齢層別検挙人員について,各年齢層の少年人口1,000人当たりの人口比の推移を見たものである(巻末資料III-2参照)。

III-3図 交通関係業過を除く少年刑法犯の年齢層別検挙人員人口比の推移

 年少少年の動きを見ると,昭和44年の9.1(検挙人員3万892人)から上昇を続け,58年には最高の29.5(同11万433人)を記録しているが,この動きは,先に述べた少年非行の第三の波とほぼ軌を一にするものであり,この波が年少少年の非行の増加,すなわち非行の低年齢化として特徴づけられるものであることを示している。59年以降は低下傾向にあったが,平成8年から上昇に転じ,11年には20.2(同5万9,252人)とやや低下したものの,他の年齢層と比較して,依然として最も高い数値を示している。
 中間少年は,年少少年ほど大きな動きはないものの,昭和40年代後半以降徐々に上昇し,57年に最高の18.9(同6万1,329人)に達した。58年以降平成4年まで,ゆるやかな低下傾向を示した後,上昇に転じたが,11年は18.4(同5万5,629人)と,前年を下回っている。
 年長少年は,昭和41年の9.7(同4万5,900人)から,多少の起伏を示しながらも,全般的に見て横ばいないし漸減傾向を示しており,年少少年及び中間少年の上昇が顕著であった50年代後半においても,それほど大きな動きは認められなかった。平成8年以降はやや上昇傾向を示していたが,11年は8.6(同2万6,840人)と,前年を下回っている。
 触法少年の動向を見ると,昭和41年以降おおむね横ばいで推移し,50年代後半に,56年の8.9(同6万7,906人)をピークとする波が見られるものの,その後は徐々に低下し,平成8年からはやや上昇傾向を示していたが,11年は4.2(同2万2,503人)と,前年を下回っている。