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 平成12年版 犯罪白書 第1編/第1章/第2節/1 

1 凶悪犯

 最近10年間の殺人及び強盗の認知件数,検挙件数並びに検挙人員の推移を見ると,I-4図のとおりである。

I-4図 凶悪犯の認知件数・検挙件数・検挙人員の推移

 殺人の認知件数,検挙件数及び検挙人員は,平成4年以降は8年を除いていずれも増加していたが,11年には,前年と比べ,認知件数は123件(8.9%),検挙件数は137件(10.1%),検挙人員は52人(3.8%)の減少となっている。11年における殺人の発生率は,1.0である。
 強盗の認知件数,検挙件数及び検挙人員は,平成7年を除いて増加が続いており,最近4年間は急激な増加を示している。11年には,前年と比べ,認知件数は811件(23.7%),検挙件数は199件(7.6%),検挙人員は383人(11.3%),それぞれ増加している。11年における強盗の発生率は,3.3である。
 警察庁刑事局の資料によれば,平成11年におけるけん銃・小銃等の銃器発砲を伴う強盗事件の認知件数は9件(前年11件)であるが,このうち7件は,現金輸送車や金融機関を対象としたものである。
 I-1表は,最近10年間の現金輸送車を対象とした強盗事件の認知件数,検挙件数及び検挙率の推移を見たものである。平成11年には,前年と比べ,認知件数は2件(20.0%)増加しているが,検挙件数は8件(66.7%)減少している。

I-1表 現金輸送車強盗事件の認知件数・検挙件数・検挙率

 I-2表は,最近10年間の金融機関強盗事件について,認知件数,検挙件数及び検挙率の推移を見たものである。平成11年において,認知件数は,特に郵便局を対象としたものが減少(前年比41件減)しており,検挙件数も,総じて横ばいないし減少している。検挙率は,銀行及び郵便局を対象としたものは上昇しているが,その他は低下している。

I-2表 金融機関強盗事件の認知件数・検挙件数・検挙率