前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 平成11年版 犯罪白書 第5編/第7章/第4節/4 

4 被害者援助団体による被害者支援プログラム

 ドイツでは,1976年に,犯罪被害者を支援し,犯罪を予防することを目的とした「白い環」が設立され,1997年現在,会員数は6万7,237人,ボランティア活動従事者は約2,300人である。本部はマインツにあり,ドイツのすべての州に支部を有しているほか,全国に約400の活動拠点を有している。
 「白い環」は,寄付金,会員からの会費,交通事件関連の罰金からの割当金,遺産の贈与,利子収入等を資金に活動を行っている。ちなみに,1997年の歳入の総額は2,160万マルクで,そのうち,寄付金が1,040万マルク,会員会費が360万マルク,罰金からの割当金が330万マルク,遺産の贈与が280万マルクとなっている。
 「白い環」による被害者援助の内容としては,[1]犯罪行為後の人道的な援助及び個人的な世話,[2]被害者が裁判所等の官庁とかかわる際の介添え,[3]法廷への出廷の付添い,[4]民間団体による被害者援助を必要とする場合の仲介,[5]被害者が犯罪行為と関連して経済的に困難な状態に陥っている場合の金銭的援助がある。