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 平成11年版 犯罪白書 第5編/第6章/第2節/1 

第2節 少年院在院者

1 調査対象者

 本調査の対象者は,平成10年11月16日現在,全国の少年院に在院し,少年院送致となった事件(事件が複数の場合は,そのうち,本人が最も重大な被害を与えたととらえるもの)の非行名が,殺人等,傷害,窃盗,強盗,恐喝及び強姦等である少年で,総数2,098人(男子1,985人,女子113人)である。
 本調査対象者について,非行名別に見たものがV-75表であり,調査時における年齢別に見たものがV-76表である。

V-75表 非行名別調査対象人員

V-76表 調査時年齢別人員

 また,調査対象者について,暴力団関係の有無を見ると,暴力団との関係がある者は総数の6.5%である。これを非行名別に見ると,殺人等5.3%,傷害10.4%,窃盗5.0%,強盗6.6%,恐喝8.2%,強姦等2.6%となっており,傷害及び恐喝では,比率が若干高くなっているが,強姦等では低い。
 さらに,少年院入院回数別について見ると,総数では,調査時が1回目の少年院送致である者が83.3%,2回目が14.5%,3回以上が2.2%である。また,共犯の有無については,総数で78.3%のものが「いる」と答えている。
 V-77表は,非行名別に見た被害者との面識の有無の内訳である。
 「よく知っていた」と「顔や名前ぐらいは知っていた」を併せたものの比率は,傷害で58.6%,殺人等で56.1%となっているのに対し,強盗で6.9%,窃盗で13.0%となっており,殺人等及び傷害では,加害者と被害者の距離に近いもののあることがうかがえる。これに対し,強盗及び窃盗では,被害者と面識のなかった者がほとんどである。

V-77表 非行名別被害者との面識の有無