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 昭和38年版 犯罪白書 第四編/第三章/二/1 

1 麻薬受刑者の収容状況

 麻薬受刑者の収容人員を全国八つの矯正管区管内別に集計すると,IV-22表のとおり,全収容人員の比率と比較して,かなりいちじるしい片寄りがあることがわかる。東京,大阪の両管区がいずれも全収容人員の比率を上回っており,麻薬受刑者の比率は,この両管区だけで約七〇%に達している。このことは,横浜と神戸とが麻薬密輸の二大基地であることから当然予想されるところであるが,さらに施設別に麻薬受刑者の多いところを拾ってみると,東京矯正管区内では横浜(一四〇名),府中(八七名),宇都宮(四三名),静岡(四一名),栃木(女子,三九名)等の各刑務所,大阪矯正管区内では,大阪(一五四名),神戸(一四一名),和歌山(女子,八〇名),加古川(七八名)等の各刑務所である。その他では,名古屋矯正管区内の笠松刑務所に九三名の女子麻薬受剃者が収容されているが,この収容者のほとんどすべては東京,大阪の両管区内から移送された者である。

IV-22表 麻薬関係受刑者の矯正管区別収容者数