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 平成10年版 犯罪白書 第3編/第2章/ 第2節/3 

3 交通事犯

 昭和30年代以降,モータリゼーションの進行に伴って交通犯罪が急増しているが,III-13図は,昭和41年以降の少年の道交違反送致人員及び車両等の運転に関する道路交通法違反取締件数(反則事件告知件数及び非反則事件送致件数)の推移を見たものである。

III-13図 少年の道交違反送致人員及び道路交通法違反取締件数の推移(昭和41年〜平成9年)

 昭和41年に約75万入を数えた少年の道交違反送致人員は,徐々に減少し,45年5月に道路交通法が一部改正(同年8月施行)され,少年にも交通反則通告制度が適用されることになったことから,46年には約25万人に激減した。50年代に入ると再び漸増傾向を示したものの,62年に交通反則通告制度の適用範囲が拡大されたことから再び大幅に減少し,以後,減少傾向にあったが,平成9年には11万5834人(前年比1.1%増)となっている。
 一方,少年の道路交通法違反の取締件数は,昭和40年代半ば以降急激に増加し,60年には約194万件とピークに達したが,その後は減少傾向にある。平成9年の取締件数は81万4471件で,このうち,70万1549件(86.1%)は反則事件として告知されたものである。また,9年における少年の非反則事件について違反態様別の構成比を見ると,無免許が46.2%で最も高く,次いで,最高速度違反(25.1%),酒気帯び(8.1%),定員外乗車(5.0%)の順となっており,成人と比較すると,無免許(成人は5.3%)の占める割合の高さが目立っている。
 なお,少年の交通非行における特徴の一つである暴走族については,本章第4節2で述べることとする。