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 平成10年版 犯罪白書 第2編/第3章/第2節/2 

2 第一審

 平成9年の地方裁判所,家庭裁判所及び簡易裁判所による第一審における終局処理人員を手続別に見ると,通常手続が6万6170人(5.9%〉,略式手続が105万3840人(94.1%)となっており,圧倒的多数が略式手続によっている。
 平成8年の地方裁判所及び家庭裁判所による第一審における終局処理人員を,罪名別・終局区分別に見たものが,II-7表である。

II-7表 罪名別地方・家庭裁判所終局処理人員(平成8年)

 地方裁判所における終局処理人員は,前年より3403人(6.7%)増加して,5万4333人となっている。これを罪名別に見ると,覚せい剤取締法違反(総数の26.2%)が最も多く,以下,道交違反(同13.4%),窃盗(同10.2%),業過(同8.8%〉,入管法違反(同7.1%),詐欺(同5.8%)の順となっている。
 家庭裁判所による第一審における少年の福祉を害する成人の刑事事件の終局処理人員は,前年より47人(22.2%)増加して259人となっている。そのうち,懲役言渡し人員149人中の145人(97.3%)は児童福祉法違反によるものであり,罰金・科料言渡し人員110人中の55人(50.0%)は労働基準法違反によるものである。
 平成8年の簡易裁判所による第一審における終局処理人員を,罪名別・終局区分別に見たものが,II-8表である。

II-8表 罪名別簡易裁判所終局処理人員(平成8年)

 簡易裁判所における通常手続による終局処理人員は,前年より328人(3.5%)減少して9109人となっており,懲役言渡し人員の95.8%が窃盗,罰金言渡し人員の50.9%が業過及び道交違反によるものである。また,略式手続によって罰金又は科料に処された者は,前年より3万2570人(3.3%)増加して102万2638人となっており,これを罪名別に見ると,道交違反(略式手続総数の87.5%)が最も多く,業過(同8.5%)がこれに次いでいる。