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 平成 9年版 犯罪白書 第3編/第2章/第3節/4 

4 少年鑑別所の役割

 少年鑑別所は,昭和24年に非行少年の収容とその資質の鑑別を行う施設として設置された。その発足から30年代にかけて,施設建設,鑑別に携わる行動科学の専門家や医師ら人材の整備が着実に進み,40年代には,観護処遇や鑑別手続等における施設間格差を是正するため,鑑別業務の標準化作業が始められ,50年前後からの非行少年の質的変化,多様化に対応し,鑑別精度の向上が促進され,61年には,鑑別対象少年の行動傾向の変化,少年院処遇の多様化,鑑別技術の進歩等に対応するための施策が採られ,その後も鑑別水準の向上を目指しての努力が続けられている。
 少年鑑別所の新収容人員は昭和24年には約1万6,100人であったが,少年法の適用年齢が20歳未満となった26年に4万820人のピークに達した。その後はおおむね警察の少年検挙人員の推移に平行して,増減を繰り返しており,49年には,最低の約1万400人を記録しているが,平成5年以降は1万4,000人台から1万5,000人台の間で推移している。