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 平成 9年版 犯罪白書 第2編/第6章/第5節/3 

3 収容保護状況の推移

 更生保護施設は,それぞれ男女別及び成人・青少年別に設置し,又は同一施設内を区分して被保護者を収容している。II-32表は,平成9年4月1日現在における被保護者の種類別更生保護施設数(事業休止中の施設を除く。)を見たものである。

II-32表 被保護者の種類別更生保護施設数

 更生保護施設は,[1]保護観察又は更生緊急保護の対象者で,保護観察所から委託された者(委託保護),[2]更生緊急保護の所定期間経過等のため委託が切れた者,委託がされていない者等(任意保護)に対して,宿泊供与のほか,食事給与,就職援助,相談・助言等の保護を行っている。
 II-51図は,昭和41年以降の更生保護施設(平成7年以前は「直接保護会」。以下同じ。)への委託保護人員(実人員)の推移を示したものである。昭和41年には更生保護施設委託人員は総数で1万3,000人を超えていたが,以後減少し,40年代の終わりには1万人を割った後,50年代から60年代初頭にかけては1万人台を回復し,その後再び減少して,近年は8,000人台ないし9,000人台で推移している。これを事件種類別に見ると,41年には,刑の執行終了者が45.5%を占め,仮出獄者は33.8%であったものが,以後,刑の執行終了者の比率が低下する一方,仮出獄者の比率は高まり,49年には仮出獄者の比率が刑の執行終了者の比率を上回って,近年は,仮出獄者の比率は50%台で,また,刑の執行終了者の比率は20%台で推移している。(巻末資料II-31参照)

II-51図 更生保護施設への委託人員(実人員)の推移

 II-52図は,平成8年に行刑施設を出所した者について,帰住予定地別の構成比を見たものである。「更生保護施設」に帰住する者の比率は,仮出獄者が満期釈放者に比して高くなっている。また,入所回数の多い者ほど,「更生保護施設」や「その他」を帰住予定地とする者の比率は高くなっている。

II-52図 出所者の帰住予定地別構成比