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 平成 9年版 犯罪白書 第1編/第5章/第2節/5 

5 学校と非行

 学校は,少年にとって家庭とともに重要な生活環境である。昭和25年には50%に満たなかった高校進学率は,40年には70%を超え,49年以降は,90%を超える高率となっている(文部省の「学校基本調査報告書」による。)。
 I-11表は,昭和41年以降における交通関係業過を除く少年刑法犯検挙人員の学職別の構成比について,41年,45年から5年ごと及び平成8年を取り上げて示したものである。昭和41年に30.1%であった中学生の割合は,50年に40%を超え,50年代後半には50%前後にまで上昇したが,その後は低下する傾向にあって,平成8年には35.0%となっている。また,高校生の割合は昭和41年の15.9%から徐々に上昇し,50年代前半には28%前後で推移した後,いったん低下したが,50年代の終わりから再び上昇し,平成8年には38.7%となって,中学生を上回っている。一方,昭和41年に28.9%を占めていた有職少年の割合は,次第に低下し,50年代後半以降は10%前後で推移している。

I-11表 交通関係業過を除く少年刑法犯の学職別検挙人員構成比

 学校と関連の深い非行に校内暴力事件があるが,I-77図は,昭和50年以降における校内暴力事件の検挙状況の推移を見たものである。検挙人員は,56年の1万468人をピークに減少してきており,平成8年は,1,000人を割って897人となっている。

I-77図 校内暴力事件の検挙状況