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 平成 9年版 犯罪白書 第1編/第5章/第2節/3 

3 集団非行

 成人の犯罪が単独で行われることが多いのに対し,少年非行は,共犯者がいる場合が多いことが,大きな特徴であるといわれている。
 I-8表は,法務省の特別調査により,昭和45年から平成7年までの5年ごと及び8年について,調査対象総数のうち共犯のある者の比率(共犯率)を見たものである。共犯率は,昭和40年代半ばには40%台の後半で,その後60年までは50%台の前半で推移していたが,最近は低下する傾向にあり,平成8年には41.2%となっている。

I-8表 犯罪少年の共犯・非行集団関係

 少年の非行集団の代表的なものの一つに「暴走族」が挙げられる。昭和30年代前半の「カミナリ族」の出現に始まり,40年代の「サーキット族」,40年代後半から現在に至る「暴走族」の暴走行為は,警察をはじめとする関係諸機関及び地域社会を含めた総合的な対策が推進されているにもかかわらず,長期間にわたり大きな社会問題となっている。
 I-75図は,昭和48年以降における暴走族の構成員数及びグループ数の推移を示したものである。構成員数は,57年の4万2,510人をピークとして,以後,多少の起伏を示しながらも減少傾向にあり,平成8年には2万6,720人となっている。一方,グループ数は,昭和53年の307を底として増減を繰り返しているが,平成2年以降は増加傾向にあり,8年は昭和48年以降では最高の939となっている。ただ,グループの規模については,62年には構成員30人以上のグループが24.3%を占めていたのに対し,平成8年には7.7%となっており,小規模化してきていることがうかがえる(警察庁交通局の資料による。)。

I-75図 暴走族の構成員数及びグループ数の推移