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 平成 9年版 犯罪白書 第1編/第5章/第2節/1 

第2節 検挙補導少年の特性

1 窃盗事犯少年

 I-72図は,昭和41年以降における窃盗事犯少年の手口別構成比の推移について,41年,45年以降の5年ごと及び平成8年を取り上げて示したものである。万引き,乗物盗等の非侵入盗は増加し,空き巣ねらい・忍び込み等の侵入盗が減少傾向にあることが指摘できる。非侵入盗の増加は,スーパーマーケット・コンビニエンスストア等の増加やオートバイ・自転車等の利用の拡大に伴って,この種事犯を犯す機会が増えたためであるか思われる。

I-72図 窃盗事犯少年の手口別構成比

 平成8年の窃盗事犯少年検挙人員について学生・生徒の占める割合を手口別に見ると,非侵入盗と乗物盗ではそれぞれ85.9%,82.4%であるのに対し,侵入盗では61.0%と前者より低い。ちなみに,侵入盗では有職少年,無職少年の比率が17.3%,21.6%となっている。
 また,法務省の特別調査(法務総合研究所が法務省刑事局と共同で実施しているもので,全国の検察庁が新規に受理した道交違反,業過及び簡易送致事件を除く少年事件の中から無作為に10分の1を抽出して行った調査である。以下,本章において同じ。)の平成8年の結果によると,窃盗事犯少年の犯行動機は,「利欲」が61.4%,「遊び」が31.5%で,「困窮・生活苦」はわずか0.6%に過ぎない。