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 平成 8年版 犯罪白書 第3編/第9章/第5節/3 

3 科刑状況等

 1994年における殺人及び強盗の検察庁処理人員を見たものがIII-104表である。全犯罪に比べ,殺人,強盗共に,処理人員総数中に占める起訴人員の比率は高くなっている。

III-104表 殺人及び強盗の検察庁処理人員 韓国(1994年)

 1994年における殺人及び強盗の第一審公判事件処理人員は,III-105表のとおりである。

III-105表 殺人及び強盗の第一審公判事件処理人員 韓国(1994年)

 韓国においては,殺人及び尊属殺害並びに強盗殺人又は致死の最高刑は,ともに死刑(絞首刑)である。
 なお,韓国では,最近刑法が改正され,一部を除き,1996年7月1日から施行されている。1995年12月29日付けの韓国の官報第13,201号によると,刑法改正の主要骨子として,成人犯に対する保護観察制度,社会奉仕命令制度,受講命令制度の導入等と共に,凶悪犯罪に関しては,尊属殺害罪の刑(死刑又は無期懲役)に7年以上の有期懲役の追加が挙げられている。
 III-106表は,最近10年間の韓国の拘禁施設における殺人及び強盗の収容人員(年末人員)を見たものである。
 収容人員総数は,ほぼ3万人で推移しているが,1990年以降ば増加傾向にある。収容者の比率を見ると,殺人が1992年までおおむね上昇傾向にあり,強盗がこの10年間ほぼ上昇傾向にある。
 1994年12月31日現在の収容人員は3万3,706人(うち女子1,025人)であり,そのうち殺人が2,878人(8.5%),強盗が6,683人(19,8%)を占めている。

III-106表 殺人及び強盗の拘禁施設収容人員の推移 韓国(1985年〜1994年)