前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 平成 8年版 犯罪白書 第3編/第5章/第3節/2 

2 凶悪事犯長期刑受刑者の実態

 ここでは,有期,無期の間で,特徴的な差異が見られた事項を中心に述べる。受刑者の入所日における平均年齢は,有期,無期それぞれ36.5歳,34.7歳である。有期の平均刑期は14.6年である。
 在所期間を見るとIII-25図のとおりである。
 有期の平均在所期間は約11年10月である。無期刑受刑者の中には,在所期間が20年以上である者が37人いる。犯行時において無職であった者は,有期,無期それぞれ75人(54.3%),108人(49.8%)である。

III-25図 在所期間別人員

 調査対象者の面会回数及び書信の発信回数は,III-43表のとおりであり,在所期間が長期化するにつれて,親族との面会回数が減少する傾向にある。

III-43表 入所から経過した年数ごとに見た面会及び発信平均回数

 在所中の軽屏禁罰(個室において謹慎させること。以下,本節において「懲罰」という。)事犯平均回数について,入所からの期間別に見ると,III-26図のとおりである。

III-26図 入所から経過した年数ごとに見た懲罰事犯平均回数

 有期・無期の比較が可能な15年未満までについて,殺傷・暴行を除く懲罰事犯の平均回数を見ると,無期は有期と比べておおむね少ない。在所期間10年間における降級(処遇上の累進級を低下させること。)の平均回数は,有期が1.3回,無期が0.8回である。