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 平成 7年版 犯罪白書 第4編/第9章 

第9章 諸外国における薬物犯罪とその取締りの現状

 本章では,本編第3章で述べた「我が国における薬物犯罪取締法令」及び第4章から第8章で述べた「薬物犯罪の現状」,「薬物犯罪と検察・裁判」「薬物犯罪受刑者の特質と処遇」,「薬物濫用経験をもつ被収容少年の特質と処遇」,「薬物犯罪と更生保護」の各状況を諸外国のそれと比較するため,外務省の協力などにより入手し得た公的資料の範囲内において,アメリカ,連合王国,ドイツ,フランス及び韓国に関しては「法令による規制の概要」と1取締り及び処罰の状況」について,また,インド,タイ,シンガポール,マレイシア,フィリピン及び香港に関しては「法令による規制の概要」について,それぞれ概観することとする。
 「法令による規制の概要」については,各国の刑事司法制度が異なり,また,「取締り及び処罰の状況」については,各国における統計の取り方に差違があり,収集できた資料も,その質及び量について均等ではないため,これらをもって我が国の薬物犯罪取締法令並びに取締り及び処罰の状況と諸外国のそれとを正確に比較することは困難ではあるが,諸外国のこれらの概要を知ることは,我が国における今後の薬物犯罪への対策を考える上で意義があるものと考える。