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 平成 6年版 犯罪白書 第4編/第4章/第2節/1 

第2節 裁判所における外国人刑事事件の処理状況等

1 終局裁判

 IV-19図は,最近10年間の地方裁判所・簡易裁判所による通常第一審における外国人事件(外国人が被告人となった事件をいう。以下,本節において同じ。)及び通訳・翻訳人の付いた外国人事件の有罪人員の推移を見たものである。

IV-19図 外国人事件及び通訳・翻訳人の付いた外国人事件の有罪人員の推移

 地方裁判所・簡易裁判所による通常第一審における外国人事件及び通訳・翻訳人の付いた外国人事件の有罪人員は,近年,いずれも増加傾向にあり,特に通訳・翻訳人の付いた外国人事件の有罪人員は,平成元年以降急増し,この10年間で11.0倍となっている。5年の通訳・翻訳人の付いた外国人事件の有罪人員は,前年より1,250人(55.0%)増加して3,521人となっており,有罪人員総数の6.1%,外国人事件の有罪人員の74.0%を占めている。
 IV-8表は,平成5年の地方裁判所・簡易裁判所による通常第一審における通訳人の付いた外国人被告人の罪名別終局人員を見たものである。刑法犯が979人(27.8%),特別法犯が2,545人(72.2%)となっており,罪名別では,入管法違反が1,955人(通訳人の付いた外国人被告人総数の55.5%)で最も多く,以下,窃盗561人(同15.9%),覚せい剤取締法違反179人(同5.1%),大麻取締法違反128人(同3.6%),偽造及び麻薬取締法違反各105人(同3.0%)等となっている。

IV-8表 通訳人の付いた外国人被告人の罪名別終局人員

 平成5年の地方裁判所・簡易裁判所による通常第一審における通訳人の付いた外国人被告人の国籍別・言語別終局人員の構成比を見たものが,IV-20図及びIV-21図である。
 国籍別では,最も多いのが中国で,918人(前年比28.4%増)となっており,以下,イラン552人(同147.5%増),タイ436人(同73.7%増),フィリピン360人(同25.0%増),マレイシア251人(同88.7%増),韓国・朝鮮241人(同17.6%増),パキスタン158人(同17.9%増),ペルー107人(同791.7%増)等となっている。
 また,言語別に見ると,法廷で使用された通訳言語は25言語に及んでおり,言語別構成比は,中国語が33.6%を占めていて最も高く,次いで,ペルシャ語(15.6%),タイ語(12.3%),タガログ語(8.9%),英語(7.0%)等となっている。

IV-20図 通訳人の付いた外国人被告人の国籍別終局人員の構成比

IV-21図 通訳人の付いた外国人被告人の言語別終局人員の構成比