前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 平成 5年版 犯罪白書 第4編/第8章/第2節/2 

2 交通犯罪の科刑状況

 裁判所において交通犯罪により自由刑に処された者の数及びその人口10万人当たりの比率並びに実刑に処された者の数及びその人口10万人当たりの比率につき,我が国とドイツ,フランス,イギリス及び韓国を比較したのが,IV-60図である。また,交通犯罪により自由刑に処された者につき,我が国とこれら各国の刑期別構成比を比較したのが,IV-61図である。
 各国によって交通犯罪とされるものの範囲や犯罪構成要件,交通犯罪に対する制裁や刑罰の種類,内容等も異なっている上,統計の取り方も同一でないため,正確に比較することは困難であるが,これらの数値を単純に比較する限りにおいては,我が国は,人口10万人当たりの自由刑に処された者の比率及び実刑に処された者の比率のいずれにおいても,ドイツ,フランス,イギリス及び韓国より低いことが認められる。他方,刑期別構成比を見ると,我が国においては,業過でば1年以上2年未満の刑期が,また,道交違反では6月未満の刑期が最も多いのに対し,ドイツにおいては,交通関係刑法犯及び道路交通法違反共に6月未満の刑期が,フランスにおいては,過失致死傷及び道路交通法違反共に3月未満の刑期が,イギリスにおいては,治安判事裁判所では2月を超え3月以下の刑期が,また,クラウン裁判所では4月以下の刑期が,韓国においては,交通事故処理特例法違反及び道路交通法違反共に1年未満の刑期が,それぞれ最も多いことが認められる。

IV-60図 交通犯罪により自由刑に処された人員

IV-61図 交通犯罪により自由刑に処された者の刑期別構成比