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 平成 5年版 犯罪白書 第3編/第4章/第2節/3 

3 心神喪失・心神耗弱者の刑事処分

 昭和63年から平成4年までの5年間に,検察庁で不起訴処分に付された被疑者のうち,精神障害のため,心神喪失と認められた者及び心神耗弱と認められた者並びに第一審裁判所で心神喪失を理由として無罪になった者及び心神耗弱を理由として刑を減軽された者は,合計4,072人である(以下,本章において,この4,072人を「対象者」という。)。III-14表は,対象者の数を各年次別に示したものである。

III-14表 心神喪失・心神耗弱者の人員(昭和63年〜平成4年)

 III-15表は,対象者について,罪名別及び精神障害名別に,不起訴処分理由及び裁判結果を見たものである。心神喪失で不起訴処分を受けた者の比率は,罪名別では,殺人,傷害致死,放火などが高く,精神障害名別では,精神分裂病が高い。他方,心神耗弱で有罪判決を受けた者の比率は,罪名別では,傷害致死,強盗,強姦・強制猥褻などが高く,精神障害名別では,精神薄弱,覚せい剤中毒,精神病質などが高くなっている。

III-15表 罪名・精神障害名別処分結果(昭和63年〜平成4年の累計)