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 平成 4年版 犯罪白書 第3編/第2章/第5節/2 

2 処遇の概要

 少年刑務所においては,少年受刑者のほかに26歳未満の青年受刑者をも収容して適正な処遇集団を編成し,職業訓練,教科教育及び生活指導に重点を置いて処遇に当たっており,その実施に際しては,地域社会の人々からも多くの協力を受けている。
 職業訓練の種目は,溶接,自動車整備,電気工事,理容,ボイラー運転など多種にわたっており,多くの者が,公認の資格・免許を取得し,又は職業的技能を習得して,出所後の自立更生に役立てている。
 教科教育について見ると,松本少年刑務所では,昭和30年から所内に地元公立中学校の分校を設け,全国の義務教育未修了である受刑者のうち,本人の希望,刑期などを考慮し,適格な者を集めて入学させている。平成4年3月には,17人の修了者に対し,本校の中学校長から卒業証書が授与された。
 また,松本,奈良及び盛岡の各少年刑務所では,地元県立高校の協力を得て高校通信制課程を受講させており,4年3月には計6人が卒業証書を授与されている。このほか,希望者には,社会通信教育及び学校通信教育も受講させている。

III-42表 少年新受刑者の罪名別人員

III-43表 少年新受刑者の刑名・刑期別構成比

 生活指導については,健全な精神を培い,自律心及び遵法精神をかん養し,必要な知識及び生活態度を身に付けることを目的として,青年期の特性を十分に考慮しながら,入所時教育や出所時教育,進路指導,読書指導,集会,施設外教育,体育活動などを計画的に実施している。