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 平成 3年版 犯罪白書 第3編/第1章/第2節/2 

2 窃盗少年

 前述のとおり,交通関係業過を除く少年刑法犯検挙人員中に占める窃盗の比率は常に高く,平成2年には71.7%となっているが,これを手口別構成比で見ると,III-5図のとおりで,万引きが37.5%で最も多く,次いで,オートバイ盗27.5%,自転車盗14.0%,自動車盗3.3%,空き巣ねらい2.4%,車上ねらい2.1%の順となっており,万引き及び車両関係の窃盗が目立っている。
 少年の窃盗事犯に占める万引きの比率は,触法少年,年少少年及び中間少年において高く,全般的傾向として,年齢が高くなるにつれ,その比率が低下していく状況にある。もっとも,女子においては,この傾向が見られず,いずれの年齢層においても万引きの比率が著しく高いことが注目される。また,2年における万引き少年の学職別構成比は,高校生が42.0%で最も高く,次いで,中学生が41.8%で,これらの中・高生で万引き事犯の83.8%を占めており,無職者及び有職者の比率は,それぞれ3.9%,3.4%といずれも低くなっている。さらに,同年の法務省の特別調査によって,窃盗事犯少年の犯行動機を見ると,「利欲」が65.9%,「遊び」が27.4%であり,「困窮・生活苦」はわずか0.5%にすぎない。

III- 5図 窃盗事犯少年の手口別構成比(平成2年)