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 平成 3年版 犯罪白書 第1編/第3章/第1節 

第3章 犯罪被害とその国家的救済

第1節 犯罪被害の実情

 I-60表は,平成2年における犯罪(ただし,業過には交通関係業過を含まない。)により身体・生命に被害を受けた被害者の被害状況を,罪名・死傷者別に見たものである。被害状況を被害罪名別に見ると,死者数では殺人によるものが最も多く全死者の46.5%を占め,重傷者数では傷害によるものが最も多く全重傷者の67.5%を占めている。なお,2年における交通事故による被害者数は,死者1万1,227人,負傷者79万295人となっている(警察庁交通局の統計による。本編第2章第4節1参照)。
 I-61表は,刑法犯について罪名別に被疑者と被害者との関係を見たものである。「親族等」の比率が最も高いのは殺人(38.6%)であり,以下,放火(16.6%),傷害(3.5%)の順となっている。「面識あり」の比率が最も高いのは脅迫(54.7%)であり,以下,逮捕監禁(52.9%),殺人(46.7%)の順となっている。「親族等」と「面識あり」との合計の比率が最も高いのは殺人(85.3%)である。「面識なし」の比率が最も高いのは横領(92.8%)であり,以下,強制猥褻(90.7%),公務執行妨害(87.3%),強盗(82.3%),窃盗(82.1%)の順となっている。