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 平成 2年版 犯罪白書 第3編/第4章/第4節/2 

2 人の暮らし方

 5つの回答を用意して,人の暮らし方として最もよいと思うものを択一で回答を求めた結果がIII-42図に示してある。これによると,全体で見て,選択率の高い順に,一般群,非行群共に,1位が「金や名誉を考えずに,自分の趣味に合った暮らし方をする」,2位が「いっしょうけんめい働き,倹約して金持ちになる」,3位が「その日その日をのんきに,くよくよしないで暮らす」であり,男女別に見ても,選択率に差はあるが選択順位は変わらない。選択率の差について全体で見ると,「金や名誉を考えずに,自分の趣味にあった暮らし方をする」とする者は,一般群が58,6%,非行群が43.6%で,一般群の選択率が高く,「いっしょうけんめい働き,倹約して金持ちになる」とする者は,非行群が35.7%,一般群が17.2%で非行群の選択率が高くなっている。「まじめに勉強して名をあげる」,「世の中の正しくないことを押しのけて,どこまでも清く正しく暮らす」を選択する者は,一般群,非行群で,男女共に1割に満たない。後者を選択する者は,一般群よりも非行群に多い。
 一般群が趣味をより重視するのに対して,非行群は,金銭をより重視する傾向がうかがえる。
 なお,III-42図には,昭和60年の青対本部調査における,本調査と同一の質問に対する回答結果(ただし,青対本部調査には本調査の回答選択肢に加えて,「自分一身のことを考えずに,国家社会のためにすべてをささげてくらす」がある。また,青対本部調査の構成比には「不明」を含む。)も掲げてあり,これとの比較では,本調査で一般群の「金や名誉を考えずに,自分の趣味に合った暮らし方をする」とする者の比率が高くなっている。