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 平成 2年版 犯罪白書 第3編/第4章/第2節/3 

3 地域・社会

 III-29図は,地域に対する満足度について一般群と非行群とを比較して示したものである。男女別に見ると,まず,男子で,満足とする者は,一般群で52.5%,非行群で59.4%,不満とする者は,一般群で22.8%,非行群で16.5%となっており,非行群は一般群よりも満足度が高い傾向が示されている。一方,女子では,満足とする者は,一般群で55.9%,非行群で43.0%,不満とする者は,一般群で20.2%,非行群で24.6%で,非行群の方が一般群より満足度が低く,男女で両群の傾向が逆になっている。非行群の男子では,彼らなりに地域に満足感をもっているのに対して,女子では相当不満感をもっていることがうかがえる。

III-28図 友達づきあいに対する満足度

 III-30図は,地域に対する満足度について,男女別及び年齢層別に一般群と非行群を比較して示したものである。これによると,一般群及び非行群の男子では,年齢が高くなるにつれておおむね地域への不満度の高い者が多くなる傾向が認められる。
 地域に不満を感じる者に対してその理由を尋ねた結果を全体で見ると,一般群に多いのは,「生活が不便である」(一般群54.7%,非行群44.9%),「騒がしくで,落ち着かない」(一般群18.9%,非行群15.4%)であり,非行群に多いのは,「人の気持ちが冷たい」(非行群31.3%,一般群14.9%),「まわりの人々が口うるさい」(非行群47.3%,一般群24.0%)である。不満の理由として,一般群が物理的環境を挙げるのに対して,非行群は対人関係を挙げているのが特徴といえよう。

III-29図 地域に対する満足度

 次いで,社会に対する満足・不満について尋ねた結果がIII-31図に示してある。この質問に対しては,一般群,非行群共に,「どちらともいえない」と回答する者が多かった(一般群44.8%,非行群42.7%)が,全体では,非行群の方が一般群よりも満足度が高い(満足とする者は,非行群35.8%,一般群17.3%,不満とする者は,非行群21.5%,一般群37.9%)。男女別に見ても同様の傾向が見られる。
 III-49表には,社会を不満とした者にその理由を尋ねた結果が掲げてある。非行群が挙げた理由を高率の順で示すと,「金持ちと貧乏な人の差が大きすぎる」(非行群67.3%,一般群56.0%),「若者の意見が反映されない」(非行群58.9%,一般群30.8%),「社会の仕組みがきまりきっている」(非行群49.1%,一般群41.2%),「正しいと思うことが通らない」(非行群48.9%,一般群64.2%)などとなっている。なお,一般群では高率で,非行群では低率なものに,「まじめな者が報われない」(一般群55.4%,非行群28.0%)がある。

III-30図 地域に対する満足度

III-31図,社会に対する満足度

III-49表 社会に対する不満の理由