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 平成 2年版 犯罪白書 第1編/第2章/第7節/1 

第7節 過激派集団の犯罪

1 テロ,ゲリラ事犯

 過激派各派は,平成元年においても,天皇制反対,新東京国際空港第二期工事阻止等を呼号し,悪質ないわゆるテロ,ゲリラ等の違法行為を繰り返している。
 最近5年間におけるテロ,ゲリラ事犯の認知件数の推移は,I-54表のとおりである。平成元年においては27件であり,前年より12件減少した。そのうち,主要な事件は次のとおりである。
 ○ 建設省公共用地審議会会長代理宅における爆発物使用事件(1月29日,神奈川)
 ○ 東郷神社本殿爆破等事件(2月3日,東京)
 ○ 高速道爆弾設置事件(2月24日,東京)
 ○ 関西国際空港建設工事関連企業の施設等に対するゲリラ事件(4月18日,兵庫)
 ○ 千葉県議会事務局次長宅放火事件(11月16日,千葉)
 ○ 千葉県企画部職員宅放火事件(12月7日,千葉)
 東郷神社本殿爆破等事件,高速道爆弾設置事件は,天皇制反対闘争に関連して,時限式爆発物を爆発させた事件であり,関西国際空港建設工事関連企業の施設等に対するゲリラ事件は,関西国際空港建設反対闘争に関連して,船舶等に時限式爆発物を設置して爆発させた事件である。

I-54表 テロ,ゲリラ事犯認知件数(昭和60年〜平成元年)

I-55表 内ゲバ事犯認知件数(昭和60年〜平成元年)

 その他の3件は,いずれも,新東京国際空港反対闘争に関連する事件であり,個人に対するテロ攻撃の増加を示すものである。