前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 平成 元年版 犯罪白書 第4編/第2章/第5節 

第5節 暴力団犯罪の動向

 暴力団は,一般的に「集団的に又は常習的に暴力的不法行為を行い又は行うおそれのある組織又は集団」であると定義できる。その実態を的確に把握することは困難であるが,代表的なものは,博徒,的屋,青少年不良団,港湾暴力団,不良土建業者などであり,それぞれの時代における社会の断層に発生し,その時代における社会経済情勢等の影響を受けて,組織的に離合集散を繰り返しながら根強く存続してきた反社会的病理集団である。
 犯罪統計が整備された結果,暴力団関係者による犯罪を総合的に見ることができるようになったのは戦後であるので,以下,これにより,戦後の暴力団及び暴力団関係者の犯罪等の推移を見ることとする。戦後の暴力団の動向は,大きく五つの時代に区分できると思われるので,以下,その時代ごとにその特徴を見ることにする。