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 昭和37年版 犯罪白書 第二編/第一章/一/8 

8 受刑者の入・出所別

 刑務所に入所するものは,必ずしも新受刑者に限られない。このほか,仮釈放の取消,刑の執行停止の取消,余罪の取調終了等の事由で入所するものもある。また,刑務所から出所するものも,満期釈放,仮釈放のほか,恩赦,刑の執行停止,余罪の取調等の事由で出所するものもある。
 昭和三五年の受刑者の入所数は(ただし刑務所間の移送を除く),行刑統計年報によれば,四二,九九八人であり,その主な内訳は新受刑者四一,〇〇八人,仮釈放の取消五八六人,刑の執行停止の取消一,〇〇八人,余罪取調終了が三六四人である。また,同年の受刑者の出所数は,四六,五六二人(移送を除く)であり,その主な内訳は,満期釈放が一四,一七九人,仮釈放が三〇,七五一人,刑の執行停止が一,〇六七人,余罪取調か三七九人である。刑の執行停止は,昭和三三年が三一六人,昭和三四年が七〇八人であるから,この三年間に急激に増加したといえる。
 刑務所から出所する主な事由は,満期釈放と仮釈放であるが,この両者の比率を昭和三〇年以降についてみると,II-8表に示すように,昭和三三年以降は三二対六八の割合でほぼ一定している。すなわち,受刑者が出所する場合は,その約七割までが仮釈放されているわけである。

II-8表 受刑者の満期釈放・仮釈放別人員と率(昭和30〜35年)