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 昭和63年版 犯罪白書 第4編/第3章/第6節/3 

3 犯罪の持続年数

 予後の良好な多数回前科者について,犯罪を反復していたおおよその期間を知るため,初犯裁判時から最終刑の裁判時まで何年経過しているかを見ることとする。IV-42表は,初犯裁判時年齢層別に最終刑裁判時までの経過年数を見たものである。総数で見ると,犯罪を繰り返していた期間が10年未満である者は9.7%であり,10年以上20年未満が43.4%,20年以上30年未満が40.9%,30年以上が5.9%となっている。次に,初犯裁判時年齢層別に見ると,20歳未満であった者では,10年未満が2.8%,10年以上20年未満が32.6%,20年以上30年未満が51.3%,30年以上が13.3%となっている。初犯裁判時20歳ないし24歳であった者では,10年未満が9.0%,10年以上20年未満が46.0%,20年以上30年未満が40.8%,30年以上が4.4%であり,初犯裁判時年齢が25歳ないし29歳の者では10年未満が11.4%,10年以上20年未満が43.9%,20年以上30年未満が39.0%,30年以上が5.7%となるなど,初犯時年齢が若い者ほど概して長期間の犯罪生活を送っており,その平均年数は,初犯裁判時年齢が20歳未満では約22年,20歳代では約19年,30歳代では約17年,40歳以上では約12年となっている。

IV-42表 最終刑時から5年を経過した予後良好多数回前科者の初犯時年齢層別,初犯裁判時から最終刑裁判時までの経過年数