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 昭和63年版 犯罪白書 第4編/第3章/第4節/1 

1 罪名及び罪種

 全前科の過半数が懲役・禁錮の者は,多数回前科者総数4万5,755人のうち2万1,885人(47.8%)である。自由刑の多数回前科者の犯した犯罪の罪名をすべて累積計算すると37万1,294となるが,最も多いのは窃盗の11万2,708で,次いで,傷害の4万28,詐欺の3万1,969,暴行の1万9,954,覚せい剤取締法違反の1万8,181,恐喝の1万7,933などの順になっており,自由刑の多数回前科者の犯す犯罪は,財産犯,粗暴犯及び薬物事犯が大多数を占めるということができる。そして,この傾向は,自由刑の多数回前科者全員が,初犯から犯数を重ねて行く過程において,各犯時に犯した全犯罪の罪名別構成比を見てもほぼ同様であって,犯数が多くなるにつれて覚せい剤取締法違反の比率が高くなってくる以外にはそれほどの変化は見られない。