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 昭和61年版 犯罪白書 第4編/第2章/第2節/4 

4 窃盗被害の地域的特性

 IV-5表は,昭和50年代における窃盗事犯の年間平均認知件数と発生率を見たものである。
 まず,窃盗発生率の高い上位5都道府県を挙げると,東京1,635.07,大阪1,350.99,北海道1,341.27,沖縄1,273.00,香川1,203.45の順となっており,・大都市である東京,大阪が1位,2位を占めている。全国平均の1,017.53を上回った地域は,上記5都道府県のほかに,福岡,愛媛,広島,高知,徳島,神奈川,千葉,京都,兵庫の9府県となっており,合わせて14都道府県である。窃盗で全国平均を超えている地域を見ると,東日本は,北海道,東京,神奈川,千葉の4地域のみで,その他は全部京都から西となっている。
 なかでも四国は,4県ともすべて全国平均を超えている。逆に,窃盗発生率の低い5県について見ると,岩手518.72,長崎547.64,福井572.21,岐阜593.01,熊本613.52となっている。最も窃盗発生率の低い岩手に比べて,東京は3.2倍,大阪は2.6倍を示している。
 IV-4図は,窃盗発生率を,都道府県別に見た地図である。
 次に,地域的特性を見るために,人口による3類型に基づいて,窃盗発生率を比較すると,大都市型1,393.42,周辺型937.74,地方型724.39の順である。認知件数で見る限り,窃盗は,大都市型が地方型の1.9倍で,都市部に多い犯罪であることが窺える。