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 昭和60年版 犯罪白書 第1編/第4章/第2節/1 

1 犯罪被害者等給付金支給法

 この法律は,人の生命又は身体を害する故意の犯罪行為により不慮の死を遂げた者の遺族又は重障害を受けた者に対し,国が犯罪被害者等給付金を支給することについて規定している。この制度は,加害者側に資力がないため,被害者やその遺族が事実上救済の途を閉ざされている場合があることを考慮したものである。同制度による給付金は,都道府県公安委員会に対する申請により,その裁定によって支給されるが,裁定に時間を要するときは,公安委員会の決定により仮給付金を支給することもできる。
 昭和59年中の給付状況を警察庁警務局の資料によって見ると,給付金支給の裁定があったのは,申請者数にして232人,被害者数にして143人,給付金総額にして約4億9,400万円であり,仮給付の決定があったのは,申請者数にして33人,被害者数にして18人,仮給付金総額にして約2,200万円である。