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 昭和60年版 犯罪白書 第1編/第3章/第4節/3 

3 ドイツ連邦共和国の女子犯罪

 I-66表は,ドイツ連邦共和国における交通犯罪及び国家保護犯罪を除く女子犯罪(Straftat)検挙人員の推移を示したものである。1974年の女子犯罪検挙人員は18万5,536人で,女子比は17.5%であったが,1983年には31万2,627人を数え,女子比は21.7%となっている。1974年の女子犯罪検挙人員を100とする指数で見ると,1983年は168となり,男子の129に比較して女子の増加率が大きい。
 女子の主要な罪名を見ると,ドイツ連邦共和国においても軽窃盗が最も多く,1983年では15万8,397人で,総数の50.7%を占めているが,これは,我が国と比較するとかなり低い比率である。その反面女子検挙人員総数中に占める詐欺の構成比の高いことが注目され,1983年で15.2%(4万7,470人)となっている。女子の詐欺事犯を見ると,商品詐欺,クレジット詐欺,自動販売機荒し(同国では,詐欺の一類型とされている。)などが多い。

I-66表 ドイツ連邦共和国の女子犯罪検挙人員(1974年〜83年)

 女子比がその平均より高い罪名を見ると,軽窃盗を筆頭に,詐欺,侮辱罪,背任,養護義務違反又は教育義務違反などである。