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 昭和59年版 犯罪白書 第2編/第4章/第3節/3 

3 矯  正

 II-67表は,最近5年間における高齢新受刑者数の推移を,総数との対比で示したものである。高齢新受刑者数は逐年増加し,昭和58年には588人となり,新受刑者総数中に占める比率は1.9%となっている。この高齢者比を性別に見ると,男子は1.9%,女子は2.4%で,女子の比率が高いが,その実数は28人にすぎない。
 なお,昭和58年における新受刑者の刑務所入所度数について見ると,総数では,入所度数「2回以上」が60.0%,うち,「6回以上」が15.2%を占めているのに対し,高齢者では,それぞれ83.7%及び60.5%を占めていて,その割合が著しく高い。

II-67表 新受刑者中の高齢者数及び構成比(昭和54年〜58年)

 このような高齢受刑者に対しては,その身体的・精神的状況に応じ,格別な配慮のもとに処遇が行われている。特に,年齢がおおむね60歳以上で,老衰現象が相当程度認められる者及び身体虚弱なため特別な処遇を必要と認められる者(収容分類級Pz)については,作業を軽減し,医療的配慮を加えるなど,必要な指導,援助等の措置がとられている。