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 昭和59年版 犯罪白書 第2編/第2章/第2節/2 

2 成人の窃盗事犯者

 II-22表は,昭和34年以降における成人窃盗事犯者の年齢層別構成比の推移を示したものである。20歳代の低下傾向が顕著であり,いわゆる若年成人は,34年の35.6%から58年の19.6%へ全体的に低下傾向を示し,25歳以上30歳未満も,若年成人とほぼ同じ推移を示し,58年には,実数及び構成比とも最低を記録している。30歳以上40歳未満は,おおむね25%前後で横ばい状態にある。これに対して,40歳以上の各年齢層は,実数及び構成比ともおおむね増加,上昇傾向を示し,58年にはいずれも最高を記録している。
 II-23表は,昭和34年以降における窃盗新受刑者の年齢層別構成比の推移を示したものである。20歳代が低下傾向,30歳代が横ばい状態,40歳代,50歳代,60歳以上が上昇傾向を示し,成人による窃盗事犯者の年齢層別構成比の推移とおおむね軌を一にしている。

II-22表 成人窃盗事犯者の年齢層別構成比(昭和34年,39年,44年,49年,54年,56年〜58年)

II-23表 窃盗新受刑者の年齢層別構成比(昭和34年,39年,44年,49年,54年,56年〜58年)

 II-24表は,昭和41年以降における成人の窃盗事犯者の前科の有無を見たものである。「前科なし」の者は,実数及び比率ともおおむね増加,上昇傾向を示し,58年には,いずれも最高の数値となっている。
 一概には言えないが,「前科なし」の者の増加現象は,一応犯罪性の進んでいない窃盗事犯者の増加を示すものと言えよう。

II-24表 成人窃盗事犯者の前科の有無(昭和41年,46年,51年,56年〜58年)