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 昭和58年版 犯罪白書 第2編/第2章/第2節/1 

1 発生状況

 II-37表は,犯行地域の分布及び犯行場所について見たものである。
 犯行地域の分布状況を見ると,殺人及び強盗は,大都市における発生件数の比率が,それぞれ33.7%,48.7%と最高であるほか,おおむね都市の規模が小さくなるに従って発生件数も減少する傾向を示している。ところで,地域分布の調査に当たっては,各地域ごとの人口の合計をほぼ均等にしてあるので,この数字は,対人口比を考慮した実質的な発生率として見ることができる。したがって,この両罪種,ことに強盗については,都市多発型犯罪の特徴を示していると言える。強姦については,大都市での比率が29.2%と最高ではあるものの,殺人及び強盗ほどの高い比率ではない上,大都市以外の地域では,発生比率がほぼ同じになっているなど,殺人,強盗とは違った特色が表れている。なお,殺人におけるその他2件とは,国外犯1件,公海上の漁船内での事犯1件である。

II-37表 犯行地域及び場所(全国)

 犯行場所を見ると,殺人では,犯人宅が27.9%と1位を占め,路上の20.6%,被害者宅の18.0%の順となり,強盗では被害者宅が1位で40.2%であるほか,路上の22.8%,店舗・ビル内の21.1%の順となり,強姦では,被害者宅の46.9%が1位であるのが注目され,以下,自動車等の乗物の中の11.9%,ホテル等の10.9%などとなっている。
 II-38表は,犯行時間帯を見たものであるが,殺人では,午後9時から11時台までが最も多く,次いで,午前0時から2時台までが多くなっており,両時間帯を合わせると38.2%に達し,また,強姦では,午前0時から2時台までが24.5%と最も多く,午前3時から5時台までが23.9%とこれに次ぎ,両時間帯を合わせると48.4%を占め,いずれも夜半に集中している。しかし,強盗では,午前0時から2時台までが21.1%と最高であるが,次いで金融機関強盗の多発を反映して,午前9時から11時台までが14.2%を占め,これと午後2時台までの間を合わせると27.4%と比較的発生率が高くなっているのが注目される。

II-38表 犯行時間帯(全国)