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 昭和55年版 犯罪白書 第2編/第4章/第2節/3 

3 保護観察の終了

 昭和54年に保護観察を終了した総人員は,7万3,897人である。保護観察の種類別に終了事由別の人員を見ると,II-67表のとおりである。婦人補導院仮退院者については表示を省いたが,期間満了による終了者1人のみである。保護観察処分少年について見ると,解除によって終了した者が83.4%を占め,満期又は満齢によって終了した者は11.4%である。なお,満期・満齢による終了者のうち25人は,良好停止の措置を受けたまま保護観察を終了している。少年院仮退院者においては,満期・満齢終了者が終了者総数の62.9%を占め,戻し収容による終了者の比率と保護処分取消しによる終了者の比率が19.8%であって,退院による終了者の比率16.3%を上回っている。仮出獄者においては,期間満了による終了者の比率が93.7%と極めて高く,仮出獄取消しによる終了者の比率は5.0%にすぎない。なお,26人の仮出獄者(有期刑2人,無期刑24人)が恩赦により刑の執行を免除されている。保護観察付執行猶予者においては,期間満了による終了者の比率が66.8%であり,執行猶予を取り消された者が31.2%と高い比率を示していることが注目される。II-2図は,これを図示したものであり,満期又は満齢終了者について,保護観察成績別の構成比を示している。良好措置によって保護観察を終了した者及び成績良好で満期又は満齢に至った者の合計の割合の最も高いのは,保護観察処分少年の87.7%であり,保護観察付執行猶予者の40.6%がこれに次ぎ,仮出獄者の32.6%が最も低い。

II-67表 保護観察事件種類別・終了事由別終了人員

II-2図 保護観察終了事由別構成比

 昭和54年の保護観察終了者について,終了時における職業の有無及びその内訳を見たのが,II-68表である。男子について見ると,専門・技術的職業従事者は,保護観察対象者のいずれの種類においても1%以下であり,管理的職業及び事務の各従事者は2%を超えていない。技能工・生産工程従事者は,保護観察付執行猶予者の38.5%が最も低く,仮出獄者の51.4%が最も高く,サービス業従事者においては,仮出獄者及び保護観察付執行獄予者が6.8%であって,他の二者は10%を超えている。女子について見ると,事務従事者は,保護観察処分少年の5.7%が最も高く,サービス業従事者は,保護観察処分少年,少年院仮退院者が各30%台,仮出獄者,保護観察付執行猶予者が各20%台であり,「その他の無職者」は,保護観察処分少年において15.1%であるが,他の三者は各20%台である。