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 昭和55年版 犯罪白書 第2編/第3章/第1節/5 

5 新受刑者の累犯・非累犯別,初人者・再入者別の状況

 II-34表は,新受刑者のうち,有期の懲役受刑者について刑法上の累犯・非累犯別の比率を見たものである。昭和52年以降,その比率に大きな変化はない。総数に対する比率では,累犯者が51.1%であるが,性別で見ると,男子に比べて女子の累犯者率は28.7%とかなり低率である。

II-34表 新受刑者の累犯・非累犯別人員の比率

 次に,新受刑者を入所度数別に見ると,II-35表のとおり,昭和54年における初入者(初めて入所した受刑者)と再入者(入所2度以上の者)の割合は,初入者が42.1%,再入者が57。9%で,前年と大差はない。再入者の中では,2度目の者の占める比率(17.6%)が最も高いが,入所度数6度以上のいわゆるひん回入所者(14.5%)がこれに次いで高率であることが注目に値する。

II-35表 新受刑者の入所度数別人員の構成比

 次に,新受刑者中の再入者で前刑出所前の犯罪による再入者を除いた者について,前刑出所後本犯までの期間(以下「再犯期間」という。)の累積率を見たのが,II-36表である。昭和54年では,前刑出所前の犯罪による再入者等を除いた再入受刑者(16,514人)の26.3%が前刑出所後6月未満,45.4%が1年未満で,それぞれ,再犯をして入所している。また,満期釈放になった再入受刑者と仮釈放になった再入受刑者について,再犯期間を比較すると,満期釈放者の53.3%が前刑出所後1年未満で再犯をしているが,仮釈放者の場合は35.0%であり,同じ再入受刑者ではあっても,満期釈放者の方が仮釈放者よりも比較的早い時期に再犯に陥る傾向が見られる。

II-36表 新受刑者中再入者の前刑出所事由別再犯期間累積率