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 昭和55年版 犯罪白書 第2編/第3章/第1節/1 

第3章 矯  正

第1節 刑務所等における収容状況

1 概  況

 刑務所及び少年刑務所は,自由刑としての懲役,禁銅及び拘留の執行を主要な任務とする刑事施設であり,行刑施設とも言われる。行刑施設としては,ほかに主として未決拘禁者(勾留中の被疑者及び被告人をいう。以下同じ。)を収容する拘置所がある。なお,警察官署に附属する留置場は,行刑施設として代用することができるとされており,このいわゆる代用監獄は,主として未決拘禁者を収容している。
 行刑施設の数は,昭和54年12月31日現在,本所74(刑務所58,少年刑務所9,拘置所7),支所115(刑務支所9,拘置支所106)である。これら行刑施設に収容された者の最近3年間における1日平均収容人員を示したのが,II-27表である。54年について見ると,未決拘禁者の1日平均収容人員は8,626人(被告人8,307人,被疑者319人)で,前年より246人減少している。一方,受刑者は,全収容者数の82.7%に当たる4万2,041人で,前年に比べて1,245人の増加となっている。

II-27表 行刑施設1日平均収容人員

II-28表 未決拘禁者の人出所人員

II-29表 受刑者の人出所事由別人員

 II-28表は,未決拘禁者の人出所人員を示したものであるが,昭和54年の入所人員は6万8,982人で,前年より3,712人減少しており,52年以来漸減の傾向にある。
 代用監獄に拘禁されている者の数は,国が,都道府県警察へ償還した拘禁費用の実績から算出すると,昭和54年では,延べ180万4,670人で,1日平均収容人員は4,944人であり,前年より141人減少している。
 次に,受刑者の人出所の状況を見たのが,II-29表である。昭和54年の入所人員は,3万550人であり,このうち,新受刑者(裁判の確定により,54年に新たに入所した懲役・禁銅・拘留の受刑者をいう。以下同じ。)の数は,2万9,086人で,前年に比べてわずかに減少している。また,仮釈放の取消しなどにより復所した者は1,464人である。
 出所人員は2万9,592人で,その内訳は,満期釈放が1万4,010人,仮釈放が1万4,638人,その他刑の執行停止などによる出所人員(死亡を含む。)944人である。満期釈放者と仮釈放者との比率は,前年同様,48.9%と51.1%である。

II-30表 新受刑者の性別・年齢層別構成比