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 昭和55年版 犯罪白書 第1編/第2章/第6節/3 

3 道路交通法違反事件

 I-72表は,昭和53年及び54年における道路交通法違反事件の告知件数及び送致件数を違反態様別に示したものである。道路交通法違反事件総数は,40年の約507万件まで増加を続け,43年の約396万件までいったん減少したのち再び増勢に転じ,52年には約1,247万件に達したが,53年から減少に転じ,54年には前年より120万8,466件(10.0%)減少して1,091万767件となっている。そのうち交通反則事件として告知された件数が53年より約92万件減少しているが,これは時速25km未満の速度超過が約73万件減少したことによるところが大きい。刑事事件として送致された件数は,総数で前年より約29万件減少しているが,これは,酒酔い・酒気帯びが約12万件,速度超過が約10万件それぞれ減少したことなどによるものである。このように道路交通法違反の告知件数,送致件数が大幅に減少したのは,53年に道路交通法が改正(53年12月1日施行)されて,自動車運転者・使用者の社会的責任が明確化されるとともに,違反に対する行政処分の強化等がなされたことによるものと思われる。

I-72表 道路交通法違反事件告知・送致件数

 昭和54年における全取締件数中に占める告知件数の比率は84.5%であり,前年より0.9%上昇している。告知件数に対する反則金の納付件数の比率は,警察庁の調査によれば,54年では96.6%となっており,その納付総額は,前年より4.6%減少して約533億円となっている。