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 昭和55年版 犯罪白書 第1編/第2章/第2節/3 

3 暴力団関係者の検察庁処理状況

 昭和54年における暴力団関係者の自動車等による業過及び道交違反を除く検察庁の処理状況を示したのが,I-47表である。起訴及び不起訴人員総数は1万6,608人で,うち起訴人員は1万4,169人(起訴率85.3%),起訴猶予人員は1,474人(起訴猶予率9.4%)となっている。これを全事件について見ると,54年の起訴率は64.2%,起訴猶予率は30.9%であり,暴力団関係者と全事件とを比較すると,暴力団関係者が起訴率で21.1%上回り,起訴猶予率で21.5%下回っている。罪名別に見ても,I-47表に掲げた全罪名で暴力団関係者の起訴率は全事件を上回り,起訴猶予率は全事件を下回っている。これは,暴力団関係者には累犯者が多いことに加え,検察庁においても暴力団関係者に対し,厳しい姿勢で臨んでいることを示すものであろう。
 昭和54年の公判請求率について見ると,暴力団関係者は78.6%であるのに対し,全事件は47.3%であり,暴力団関係者が全事件を31.3%も上回っている。これは,暴力団関係者には,一般の犯罪者よりも犯罪傾向の進んだ者が多いことによるからであろう。

I-47表 暴力団関係者の罪名別起訴率及び起訴猶予率