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 昭和36年版 犯罪白書 第二編/第一章/二/3 

3 執行猶予の期間と刑期

 執行猶予確定人員について,その猶予期間を期間別にみると,II-17表のとおりである。これによると,猶予期間は三年が最も多く,総数の六一・一%を占め,これに次ぐものが二年の一五・六%,四年の一五・四%である。次に,懲役禁錮につき執行猶予を言い渡された場合の刑期を期間別にみたものと,罰金につきこれを言い渡された場合の罰金の金額を金額別にみたものとを示すと,II-18〔A〕表・〔B〕表のとおりである。これによると,懲役禁錮に執行猶予がついた場合のその刑期は,一年以下で六月をこえるものが最も多く,総数の六二・四%を占めており,これに六月以下の二〇・八%を加えると,総数の八三・二%までが一年以下のものに執行猶予がつけられていることがわかる。なお,二年をこえ三年以下のものには,わずかに三・七%に執行猶予がつけられているにすぎない。また,罰金に執行猶予がついた場合の罰金の金額は,三千円以下が五七・三%,三千円をこえ五千円以下が一八・六%であるから,総数の七五・九%は五千円以下の罰金であり,高額の罰金に執行猶予がつけられる場合は,きわめて少ない。

II-17表 執行猶予の猶予期間別人員と率(昭和34年)

II-18表

 これらの点から,執行猶予の猶予期間は二年ないし四年に,懲役禁錮の刑期は一年以下に,罰金の金額は五千円以下に,それぞれ多く言い渡されていることがわかる。