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 昭和53年版 犯罪白書 第4編/第2章/第2節/1 

1 収容状況

 少年鑑別所における収容につき,最近3年間における少年鑑別所の人出所状況から見ると,IV-44表のとおり,昭和52年の1日平均収容人員並びに入所及び出所人員共に,前年に比べて増加しており,特に女子の入所人員の増加は,昨年の1,485人の約1.3倍となっている。入所人員1万3,643人のうち,1万1,249人(82.5%)は,本来の観護措置によるものであり,772人(5.7%)が勾留に代わる観護措置によるものである。
 少年鑑別所の収容は,これらの観護措置に付された少年の収容にとどまらず,同じく少年法に基づく勾留及び同行状執行の仮収容,少年院法に基づく仮収容,犯罪者予防更生法に基づく引致状による留置,刑事訴訟法に基づく鑑定留置等にわたっている。

IV-44表 少年鑑別所入出所等状況(昭和50年〜52年)

 少年鑑別所に収容された少年の所内生活は,それぞれの収容目的によって異なるが,観護措置による収容少年に対する処遇が基準となっている。その日課は,起床,就寝,食事,運動,読書,テレビ・ラジオの視聴,入浴,面会・通信,更に必要な者に対するカウンセリング,集団討議,心理劇等にわたり,規則正しく運ばれている。日常生活の指導は,主として観護教官によって行われるが,少年鑑別所の観護業務は,身柄の保全,規律の維持にとどまらず,鑑別業務と不可分の関係に立って,少年の更生契機の探索処遇,また,鑑別のための行動観察等に及んでいる。
 昭和52年における出所人員は,1万3,519人であるが,出所事由別で見ると,保護観察が3,647人(27.0%)で最も多く,前年に比べて93人の増加となっている。次いで,少年院送致が3,274人(24.2%)で,前年に比べて630人の増加となっている。以下,試験観察の2,532人(18.7%),観護措置取消しの1,109人(8.2%),審判不開始・不処分の820人(6.1%),検察官送致の287人(2.1%),教護院・養護施設送致の200人(1.5%)などとなっている。