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 昭和53年版 犯罪白書 第3編/第1章/第4節/5 

5 年齢・罪名と再犯率

 前述の38万人の調査対象者のうち,昭和36年1月1日から40年12月31日までの5年間に初犯による有罪確定裁判を受けた6万9,099人について,初犯の裁判確定時の年齢別に52年6月1日に至るまでの再犯率を算出し,これを年齢層別に記載したのが,III-15表である。この6万9,099人全体の再犯率は,32.0%であるが,年齢層別に見ると,20歳未満の年齢層では67.4%20歳以上30歳未満では38.9%,30歳以上40歳未満ではほぼ同率で42%強,40歳以上50歳未満では15.4%,50歳以上では10.4%となっており,初犯時の年齢の若い者ほど再犯率が高いことが理解できる。
 また,この対象者について,初犯時の主要罪名別に前同様の期間内における再犯率を算出し,そのうち,再犯率の高いものの順に10の罪名とこれに対する再犯率を示したのが,III-16表である。再犯率の最も高いのは兇器準備集合法違反で58.7%となっており,以下,覚せい剤取締法違反,恐喝,売春防止法違反,傷害致死窃盗,逮捕・監禁などがこれに次いでいる。なお,同表には掲載していないが,麻薬取締法違反の場合の再犯率は44.4%,強姦は35.1%,殺人は30.6%,放火は20.3%である。

III-15表 初犯時年齢別再犯率

III-16表 初犯時罪名別再犯率