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 昭和53年版 犯罪白書 第2編/第2章/第1節/2 

2 新受刑者の現況

 昭和20年以降の新受刑者数の推移は,II-4図の示すとおりである。II-38表は,新受刑者の性別・年齢層別の比率を示すものである。男子の2万7,064人に対し,女子は616人(総数の2.2%)で前年に比べて若干増加している。新受刑者の年齢層別では,これまで20歳代の者が最も多かったが,52年では,30歳代の者が全体の37.0%を占めて20歳代のそれの35.3%を上回り,最も多くなっている。また,40歳代以上の者の占める比率の増加が目立っている。

II-4図 新受刑者人員の推移(昭和20年〜52年)

II-38表 新受刑者の性別・年齢層別構成比(昭和40年,45年,50年〜52年)

II-39表 新受刑者の国籍別人員(昭和40年,45年,50年〜52年)

II-40表 新受刑者の刑種別人員(昭和40年,45年,50年〜52年)

II-41表 新受刑者の刑期別構成比(昭和40年,45年,50年〜52年)

II-42表 新受刑者の罪名別構成比(昭和50年〜52年)

II-43表 初人受刑奢の執行猶予歴別人員

II-44表 初入受刑者の保護処分歴別人員

 昭和52年の新受刑者を刑種別について見ると,II-40表のとおりである。懲役が2万6,868人で97.1%を占め,禁錮が795人(2.9%),拘留が17人(0.06%)となっており,最近は懲役の構成比の増加と禁錮の構成比の減少が目立っている。
 次に,新受刑者の刑期を見ると,II-41表のとおりである。前年に比べて,懲役ではほとんど差異はなく,禁錮については,3月を超え6月以下について,若干の減少が見られる。
 新受刑者を罪名別に見たのがII-42表である。昭和50年では,その85.3%が刑法犯,14.7%が特別法犯であったものが,52年では,刑法犯78.5%,特別法犯21.5%となっている。特別法犯の増加は,覚せい剤取締法違反の増加によるものであり,前年に比べて,実人員で1,064人,比率では45.4%の増加となっている。刑法犯のうちでは,窃盗が最も多く,8,913人(32.2%)で,次いで傷害・暴行の2,630人(9.5%),業務上(重)過失致死傷の2,044人(7.4%),詐欺の2,043人(7.4%)の順になっているが,いずれも前年に比べて若干減少している。