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 昭和52年版 犯罪白書 第2編/第2章/第2節/8 

8 医療及び衛生

 収容者の傷病に際しては,施設の医師が治療に当たる建て前である。行刑施設には,一般にその規模や業務内容に応じて医務部又は医務課などが設けられているが,このほか,全国に五つの医療専門施設(八王子,岡崎,城野の各医療刑務所及び大阪,菊池の各医療刑務支所)が設置されている。また,おおむね各矯正管区を単位として全国で5施設(名古屋,広島,福岡,宮城,札幌の各刑務所)が医療重点施設に指定され,人的・物的に一段と整備された医療体制の下に専門的医療を要する者,長期の療養を要する者等に対する医療を行い,医療センターとしての役割を果たしている。
 なお,病状により必要な場合には,外部の専門医の診療を受けさせ,また,施設内で適当な治療を施すことができない患者は,支障のない限り,一時,外部の病院に入院させて医療の万全を期している。
 行刑施設における医務技官の定員内訳は,II-50表のとおりであるが,そのほか,医務部課長の管理業務を助けるため,看守長又は副看守長が配置され医療処遇を側面から援助している。
 なお,矯正施設における医療専門職員の充実を図るため,医師については,昭和36年から矯正医官修学生の制度が設けられ,また,看護士(婦)については,41年から八王子医療刑務所に准看護人養成所が設けられている。52年3月末までに同養成所を卒業した准看護士(婦)の総数は186人である。

II-50表 行刑施設における医務技官定員内訳(昭和52年4月1日現在)